01会社概要
1982年創業。静岡市清水区で、古民家再生を中心に住宅・店舗などの設計施工を手がける一級建築士事務所。古民家再生は36年で180棟の実績があり、100棟目の冨田家住宅は登録有形文化財である。設計者と建具職人を自社に持ち、2024年に焼津市へ建具・家具工場を開いた。大工・左官などは協力会社と組む。2021年に不動産売買仲介を始め、実家じまいの相談も入る。県内の民家に関わる団体の事務局も務める。
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02事業テーマ
「一件でも多くの古民家を残す」と言い続け、解体で出た建具・古材をもらい受けてきた。近年は解体業者からの購入やネットでの引き取りも加わり、自社の倉庫には古建具が約3,000本ある。しかし在庫は所長の記憶だけで管理しており、寸法が合うかは倉庫で現物を見るまで分からない。探せないため設計の段階で使うと決められず、工事中に目に入ったものから選ぶことになる。どの材が生きるかの目利きも、36年かけて所長ひとりの中に蓄積されたままである。社是は「ほどいてむすぶ」。預かった材を、次の家へむすび直すところまでを仕事として完成させたい。
事業テーマの詳細資料を見る(PDF)(PDF・新しいタブで開きます)03解決したい課題
最初の顧客は自社である。在庫を探せて設計に載せられる状態にし、目利きを会社の資産として残したい。解体の現場で材の値打ちをその場で判断できる人も、社内にはほとんどいない。
次の顧客は施主である。実家じまいをする人は、「何か残したい」と思っても残し方が分からない。古材で家や店をつくりたい人は、現物を見ないと選べず、完成の姿が想像できない。
その先には、古材の在庫を抱える工務店・設計事務所・古材事業者がいる。
背景には、県内で毎月多くの住宅が取り壊されていることがある。建設で出る木材のリサイクルは9割を超えているが、部材として次の家へ受け継ぐことはできていない。
04共創イメージ
測る・探す・載せる・見せるの4つをつなぐ。3Dスキャンで建具の形と寸法を取り、材種・状態・時代・つくられ方・どの家から来たかを記録する。寸法・種類・材種などの条件で検索し、倉庫に行かずに候補を出す。設計データにそのまま配置し、納まりや寸法を机上で検討する。CG・ARで施主に「実家の建具が、ここに入ります」を見せる。再利用した材のCO2削減量も算出し、証明書として発行したい。
実証(2026年11月〜2027年2月)では、建具300点をデータにし、検索とビューアを試作する。進行中の実案件の設計に古材を載せ、施主にCGで提示する。倉庫の見学会も開く。当面は自社の設計施工で使い、将来は同じ課題を持つ工務店・古材事業者と仕組みを分かち合いたい。
05提供できるアセット
古建具約3,000本と古材の現物(清水区の自社倉庫)。データ化の対象そのものになる
古民家再生180棟・36年で積み上げた「どの材が生きるか」の判断
解体で材を受け取り、設計に載せ、焼津の工場で修理して次の家へ渡すまでを自社で担う体制
実証の場(倉庫・解体現場・施主への提案の場)。不動産売買仲介を通じて入る実家じまいの相談
06求めるスタートアップ
3Dスキャン・点群処理。建具や梁を、短時間で、設計に使える精度でデータにしたい
検索できる在庫データベースとビューア。寸法・材種・由来で探せて、設計データへ書き出せるもの
CG・ARでの施主への提示。完成の姿を、スマホでも見せたい
当社は現物と判断と現場を担い、スタートアップには測り、探せるようにし、見せる技術を求める。相手にとっては、他では手に入らない実物のデータに触れられることが利点になる。
07意気込み
倉庫の3,000本は、すべて誰かの家にあったものです。預かったままにしない。ほどいたものを、次の家へむすぶ。
ただ解体するのではなく、生かしたいと思う人へ。泣く泣く手放す建具を、次の世代へ渡す架け橋になりたい。
